ドルが強い、フランはもっと強い【2022年6月20日~24日】
先週は、ご存じの通りFOMCと日銀、英国、そしてサプライズとなったスイスのの政策発表があり、為替は大きく動いた一週間でした。
月曜から135円の大台
ドル円は、月曜から135円の節目に乗せておりました。先々週からドル円は強含みのまま推移しており、このまま上昇するかのようなセンチメントであったともいえます。
これはいわゆる日米の金利差の拡大という背景によるものといえるでしょう。
しかし、その後は、135円という達成感、利益確定売りなどもあって133円50銭近くまで値を下げました。
その背景には、135円になった直後の黒田総裁のこのような発言がありました。
これまでは、円安は経済にプラスだという感じのことを言っていたのが、一転してマイナスだと言われたのです。
やはり急速な円安は経済にマイナスだということで、NY時間になるまで下落しました。
20年ぶりの高値となる135円50銭台
火曜日になると、ドル円は、前日の高値を超え、135円50銭近辺まで上昇しました。
この火曜に誰もが想像しなかったことがありました。
翌日の水曜日にFOMCを控えたこの火曜日に、米金利先物市場において、債券の売りが凄まじく、大きく金利が上昇しました。
このため50bp利上げの予想に対し、75bp利上げ、しかも89%を織り込んでいるというニュースが飛び込んできたのでした。
結果、20年ぶりの高値となる135円50銭台をつけたということになります。
FOMC当日
FOMC当日の水曜日は、終日ドル円は下落しました。これはいささか不可解な感じがしました。
75bpの利上げという発表にも関わらず、ドル円は長めの上ヒゲを出して、下落しました。
この背景には、
ここで最大の注目は、パウエルFRB議長の発言です。
「今回の75bp引き上げが異例に大きな幅であることは明らかであり、この幅が普通になるとは見込んでいない」
これによりドル円は、75bpの利上げであったのに、下落したということになります。
131円台まで下落
木曜になると、ドル円は大きく売られ、131円台まで下落しました。
この日は誰もが驚く出来事がありました。
スイスフランはご存じのとおり、安全通貨として知られておりますが、何かあれば買われるのがスイスフランです。
欧州内では、ユーロ売りのフラン買いということが度々行われています。しかし、スイスは輸出産業国ということもあり、自国通貨高を歓迎しない国です。
従って、フラン売りというのを日常的に続けてきたのがスイス中銀です。そのスイスが利上げするということは、フラン高容認ともとれます。
数年前のスイスフランショックが頭をよぎった方も大勢いたことでしょう。しかし、結局、大事には至らず、ドルフランの相場においては300pips程度のフラン高となりました。
気をつけたいのは、追加引き締めもありえるということで、インフレというのが相当な状況であるといえるでしょう。結果、今後も強いドルよりさらにフランの方が強含んでいく展開は予想しておきたいところとなるでしょう。
また、この日の英国中銀の発表はこのようなものとなりました。
結果を受け、この日、ポンドも買われました。
また注目の日銀ですが、金融緩和路線に全く変更がない模様でした。
まとめ
結局、ドルは強い。フランはもっと強い。そんな状況で今週はどう動いていくかを注目していきたいと思っております。