なぜドル円もユーロドルも弱いのか?【2022年7月4日~8日】
先週は、月末と月初めなどいろいろと節目であることが強く意識され、先週までの金利差などのファンダメンタル要因とは別の理由でも動いた一週間でした。
ドル円は堅調に始まりましたが、水曜日から大きく下落しました。
週足で見ると、先週と同様に上ヒゲをつけた若干の陽線で確定しています。
この足だけで見る限りでは、ヒゲ先を抜けない限りは、安易に買うのはリスクが高いという意識を持った方が良いかもしれません。
ただ、日足ではMA20にタッチして下ヒゲをつけて引けているので、ここを実体で割らない限りは、まだまだ上目線です。
これは短期でも同様で、日足MA20を割るか割らないかの辺りは意識されるところなのではないでしょうか。
月曜からのドル円
底堅い一日でした。やはりアメリカの長期金利が高いものですから、それに伴いドル円も上げるという流れです。
この流れは水曜まで続きます。注目したいのは、このニュースです。
パウエルFRB議長のタカ派的な発言がありました。つまるところインフレ対策です。
またここでは掲載されておりませんが、ドルが高くなるのは、仕方のないことだという発言もあったようです。
その影響でドル円は、ほぼ137円といってよい所まで上昇しました。これが水曜日です。
ただ、そこを天井に木曜日以降は、週の始値近くまで下落していきます。
これは、ここ一カ月で7円近く上げた影響から、月末に向けてのポジション調整だと考えて良さそうです。
アメリカ長期金利が弱含み
いくつかの経済指標が弱かったこともありますが、注目したいものがこれです。
これは、インフレでモノが高いので、販売数は減っても、総売上額はさほど変わらないはず。ですが、減ってしまったということですね。
この指標は予想を下回りました。
インフレ対策はしなければならないが、それに伴い景気がどうしても悪くなってしまうということのようです。
この影響で長期金利はとうとう3%を割ってしまいました。
なぜユーロドルは下げる
通貨強弱の相関性から言えば、ドル円が下げれば、ユーロドルは上げるはずです。
ところが弱含みの一週間となりました。
この背景には、ECBの金融引き締めの意思が強く意識されているということなのでしょう。
7月に向け利上げするわけですが、通常利上げはユーロドルの上昇要因となるはずです。
ところが弱い。なぜなのか。
消費者物価指数の上昇が予想より低かった。つまり、利上げの必要はないと考えられるのでしょうか。
ところがスペインのインフレ率はなんと過去最高値です。
ドイツが落ち着いていても、スペインがダメなら、EU連合としては、やはり利上げをしなくてはならないということになります。
こうした背景からドル円とユーロドルの相関性が効いていない状況です。
まとめ
円安は大分和らいだのかもしれません。
ユーロドルは、ドル円との相関性が薄く、弱含みだったのに注意したいところではないでしょうか。